一億円の契約妻は冷徹御曹司の愛を知る
「この間は話をしただけだ。今までまったくその気がなかった俺が、どうして今になって結婚を決意したのか。ちゃんと聞くまで帰らないとごねられたんでな」
「決意……?」
たまたまだったんじゃないの?
私のようにお金も権力もなにひとつもたない相手が現れて、交換条件を持ちかけるのにちょうどよかったから。絵を貸す代わりに、その身だけを差し出せと。
えっと、でも。雅臣は結婚した後も遊ぶつもりだったわけじゃなくて――。
だめだ。ますます混乱する。
そもそも雅臣は、どうして私と結婚しようと思ったの。
「未希さんの方がずっときれいで、あなたの隣にいるのによっぽどふさわしいのに」
心の声が、なんの制御もかからずそのまま言葉になって落ちていった。