一億円の契約妻は冷徹御曹司の愛を知る

 私を見下ろす瞳は、いつもよりどことなく物憂げだ。

 無言のまま彼はさらに唇を寄せてくる。聞こえなかったフリをしているのかもしれない。

 肌を晒した雅臣はフェロモンがすさまじかった。ダメと拒絶したいのに、彼の発する色気にのまれそうになる。目を合わせると、問答無用で強い瞳に絡めとられてしまう。

「まってくれるって、言ってたじゃない」

 目をつぶりながら訴えても、雅臣は止まらない。背中に手を回されたと思ったら、あっという間にホックを外されてしまった。

 うそ、服の上から⁉ なんて驚いているうちに今度はワンピースの裾から手が入り込んでくる。

「ちょっ」

 ふとももをなぞられ、くすぐったさに身をよじる。甘い感覚と焦りが胸の中で混ざり合って、自分でもどうしていいのかわからなくなっていく。

 嫌じゃない。

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