一億円の契約妻は冷徹御曹司の愛を知る
私とは真逆の環境で育ってきた二條家の子どもたち。お金も権力も生まれながらにすぐそばにあって、望めばなんでも好きなものを手に入れられる。
でも、だからこそ、彼らは本当は孤独だったというの?
「言っておくけど、私はソシャゲ仲間の友達がたくさんいるから寂しくなんかないんだからね! 変に同情したらこのあいだのモケミちゃん姿の写真をばらまくわよ」
「そ、それはご勘弁を!」
とっさに両手を振ると、彼女はふっと笑って少しだけ遠い目をした。
「……たまに、なにひとつ持たない人間に憧れたりするわ。そういう人たちって強いじゃない。宝石なんかで飾り立てなくても、その人自身に輝きがある。生きる力とでもいうのかしら。魂のうつくしさみたいな。だからキールはかっこいいのよね」
どうやら途中からソーシャルゲームの話になっていたらしいけれど、それでも伊都さんの言葉に胸を衝かれた気がした。