一億円の契約妻は冷徹御曹司の愛を知る
「……やっぱり、あなたは雅臣の恋人だったんですね」
彼女からしたら、私の存在はなんて鼻持ちならないことだろう。付き合っている相手が突然、どこの馬の骨ともわからない女と結婚するなんて言い出したら。
想像しただけで胸が焼けこげそうだ。
話しかけるべきではなかった。言ったそばから後悔に襲われていると、彼女はくすりと小さく笑った。
「恋人? まさか」
薄く微笑んで、彼女はとなりの椅子に目くばせをした。座ったら、と言われた気がして、おそるおそるスツールに腰を預ける。
未希さんはグラスのきらめきを楽しむように目を細めた。
「そりゃあ私は雅臣のことを好きだったわよ。でも、関係を持ってたのは彼だけじゃないし。私たちは――そうね、同士みたいなものかしら」
「同士?」