一億円の契約妻は冷徹御曹司の愛を知る
雅臣を好きだと言いながら、ほかの男性とも関係を結んでいたという未希さんの、『好き』の意味を図りかねていると、彼女は形のいい唇を皮肉っぽく引き伸ばした。
「私たちはおちこぼれなのよ。家の規則や習わし。そういったものにうんざりしてるのに、結局狭い箱庭からは逃げられない。うまく立ち回ることもできず、子どもじみた反抗を続けてる」
ふっと小さく息をついて未希さんは頬杖をつく。
「私には十歳上の会ったこともない許嫁がいる。その人のために貞淑な妻となることを厳しく言いつけられてきたことに対する反抗。雅臣は自分たちを裏切った父親からの一方的な押し付けに対する反抗。私たち、家の中では居場所がないの」
「自分たちを裏切った父親……?」