一億円の契約妻は冷徹御曹司の愛を知る

「ずっと想い続けてる……ねえ。あの女嫌いの雅臣が」

「女嫌い? 女好きではなくて?」

 私にちらりと視線をよこし、彼女は皮肉っぽく口角を持ち上げる。

「雅臣が好きなのは女の外側だけよ。中身なんて、これっぽっちも興味ない。それって普通に考えて女を道具としか見てないってことじゃない」

 失礼な話よね、とつぶやいて未希さんは小さくため息をついた。

「女好きだけど女嫌いで、家名を捨てたいけど捨て切ることもできず、あげく昔から想い続けてる相手がいるのに別の女と結婚?」 

 別の女と言われた瞬間、喉の奥が痛んだ。人から言われると自分で思っている以上に胸に刺さる。

 未希さんは「面倒な男ね」と呆れたように口にすると、私を振り返ってほんの少し優しげに微笑んだ。

「あなたも大変ね」


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