一億円の契約妻は冷徹御曹司の愛を知る

 これまで聞いた話をまとめると、雅臣は心は開かないものの、必要に応じていろんな女性と関係をもっていたということになる。でも私と結婚することになって、すべてを終わらせた。そんな彼の心の中に、ずっといる女性って……。

 ふと脳裏を、明るく笑う顔がよぎった。

 雅臣のことを昔から知っていて、彼が唯一心を開いている女性――。

 ハッとして、足を止めた。

『私はあの方と付き合いが長いですからね。小さな頃は一緒に遊んだものです』

 まさか、楓さん?

 これまでのやりとりをすべて思い出すように、思考をめぐらす。

 楓さんは雅臣の三歳年上で、坂城さんにくっついてよく二條家の本邸に遊びにきていた。そのまま家事手伝いとして働くようになって……。楓さんはそのまま、二條家に出入りをしていた男性と結婚した。

 そこまで思考が至り、どきりと胸が鳴る。

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