一億円の契約妻は冷徹御曹司の愛を知る
もしかして、雅臣は失恋したのだろうか。
楓さんのことが好きだったのに、想いを伝える前に彼女は別の男性と結婚してしまった。だけど諦めきれなくて、彼女を傍に置いておきたくて、今でも家事手伝いとして家に来てもらっている。
息がうまく吸えない。肺が軋んで、胸が締めつけられる。
雅臣は、成就することのない気持ちを抱えながら、好きな人を傍に置いている――。
「なによ、それ」
切ないにもほどがあるじゃない。
雅臣の心を想像すると、胸が張り裂けそうになる。楓さんの様子からして、彼女が雅臣の気持ちに気づいているとは思えない。それでも彼は、彼女を傍に……。