一億円の契約妻は冷徹御曹司の愛を知る

「ええと、ここは」

 携帯越しに響く雅臣の声に、胸がつまる。切ない気持ちをこらえて周囲に目を走らせ、公園名を告げようとしたとき、突然なにかに口を押えられた。

「んんっ⁉」

 後ろから誰かに口を塞がれたのだと気づいたときには、持っていたスマホを奪われていた。噴水に投げ込まれたそれが、ぽちゃっと音を立てて沈んでいく様に、目を見張る。

「ん――!!」

 パニックになりながら叫んだ瞬間、お腹に衝撃を受けた。痛みを覚えるよりも先に、夕暮れに沈んだ公園を映していた視界がブラックアウトしていった。



< 227 / 308 >

この作品のキーワード

この作品をシェア

pagetop