一億円の契約妻は冷徹御曹司の愛を知る
たいしたケガもしていなかったし、おおごとにしたくないという私の気持ちも伝えたから、沢渡さんはすぐ釈放されるはずだ。ただし、私に二度と近づかせないと雅臣が不敵に笑っていたから、念書を書かせるくらいはしたかもしれない。
……変に脅してないといいけれど。
あんなふうに危害を加えられて怖かったし許すわけじゃないけれど、沢渡さんには仕事でたくさん助けられたしお世話にもなった。できればまっとうに働いてちゃんと生きて行ってほしい。
ぼんやり考えているうちに余計に頭が冴えてしまい、抱きしめていた枕を放った。
「ああ、もう」