一億円の契約妻は冷徹御曹司の愛を知る

「……本当に?」

 聞いたことのない弱気な声に、きゅっと胸が締まる。掴まれた腕から雅臣の体温がじりじりと伝わってくる。

 気恥ずかしさをこらえながらうなずいた途端、部屋の中に引っ張り込まれた。

 広い胸に抱き留められ、すぐさま唇が合わさる。確認するようにキスを繰り返した後、雅臣は余裕のない声でつぶやいた。

「途中で待てと言っても、待たないからな」

 抱き上げられ、小さく悲鳴を上げる。私をベッドに寝かせると、彼はぎしりとスプリングを軋ませて覆いかぶさってきた。

 じっと注がれる深い茶色の瞳に、胸の高鳴りがやまない。唇が重なり、さっきよりもずっと深いキスに呼吸が乱れる。

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