一億円の契約妻は冷徹御曹司の愛を知る

 シーツに膝をつき彼の頭を胸に抱いて、硬めの髪に顔を埋めるようにしてつぶやいた。

『二條家にふさわしい女性に、きちんとなってみせるから――』

 まるで誓いを立てているみたいだ。

 ねえ雅臣。

 あなたの孤独を私に分けて。

 孤独な私と、孤独なあなたが一緒になったら、きっと、孤独なんて概念ごと消し飛んでしまうでしょう?

 だってあなたは約束してくれたもの。

 私との未来を。

 私たちを待っているのは、『寂しいなんて思う余裕もないくらい、忙しい未来』なんでしょう?

 固まっていた雅臣が、そっと、ためらうように私の背中に腕を回した。やさしく触れた大きな手に、少しずつ力がこもり、やがて彼は力いっぱい私を抱きしめた。

 雅臣の髪に、私の胸に、お互い顔を埋めて、存在を確かめ合うように互いの体温を感じて、言葉では伝えきれないなにかを共有するみたいに、私たちはしばらく抱き合っていた。

 
 
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