一億円の契約妻は冷徹御曹司の愛を知る
彼が父親を嫌う理由は聞いたけれど、私にはどうしても二條公親がそんなにひどい人間には思えないのだ。
雅臣たちの事情を詳しく知っているわけじゃないし、根拠のない直感にすぎないと言われればそれまでの話。だけど彼のお父さんは、二條の家にちっともふさわしくない私を、すんなり受け入れてくれた。
初めて雅臣の家族と顔を合わせたとき、『なんでまた雅兄と結婚することになったの?』と善くんに無邪気に突っ込まれて返答に困っていた私に、助け舟を出してくれた。
そう、やっぱりあのとき、雅臣のお父さんは私を助けてくれたのだ。
最初に目が合ったときから、二條公親は威厳に満ちていて恐ろしい人だったけれど、目じりに刻まれた皺はとてもやさしかった。