一億円の契約妻は冷徹御曹司の愛を知る
最初に出会ったあの日、私を抱き留めてくれたときと同じ体勢になっていて「ふ」と笑みがこぼれた。
「愛?」
困惑しつつも、彼は私の髪を撫でてくれる。
セミの声が降り注ぐ草むらで、私たちはしばらく抱き合った。生い茂った木々が太陽の光を遮り、熱を吸収してくれる。心地よい風に包まれながら、雅臣の心臓の音を聞いていた。
規則正しいリズムに、気持ちが落ち着いていく。
ゆっくりと顔を離すと、私を見下ろす大きな瞳と視線がぶつかった。
どちらからともなく唇を寄せ、優しく口づけを交わす。
柔らかな感触を楽しむように、もう一度。
ちゅっと音を立てて唇に吸いつくと、雅臣はそのまま私の後頭部を支えて身を乗り出してきた。