一億円の契約妻は冷徹御曹司の愛を知る

「んん、もう、やめてったら」

 こらえきれずに手を引っ込めると、雅臣は口角を上げて不敵に笑う。

「そんな顔をされたら家までもたない。……車でするか」

 強い瞳に覗き込まれ、慌てて身を起こした。

「もう、色ボケ御曹司! 欲望の塊!」

「おまえのせいだ」

 立ち上がりかけたところを引っ張られて、後ろから抱き締められた。広い胸に包まれると、安心感で満たされてしまう。

 ふいに「お」と声を出し、雅臣が私から手を離した。振り返ろうとすると、「そっち向いてろ」と頭を押さえられる。

「な、なに」

 彼の膝の間でしばらく座っていると「よし、いいぞ」と声をかけられた。ふりむいた私の手を取り「やり直しだ」と楽しそうに笑う。

 雅臣は、私の指にシロツメクサで作った指輪をはめた。

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