一億円の契約妻は冷徹御曹司の愛を知る
「違わないだろ。夜這いしにきたくせに」
「それは!」
言葉を探している私を見下ろし、雅臣はニヤニヤした笑みを浮かべている。そんな私たちを見て、楓さんがくすりと笑った。
「まあまあ、仲がよろしいことで。本当に、雅坊――雅臣様は、愛さんが来てからよく笑うようになりましたよね。あれほど女性不信だったのに……楓はうれしゅうございます」
「おい、やめろ。ばあやか」
「誰がばあやですか!」
目を吊り上げる楓さんをつまらなそうに一瞥して、雅臣はソファに腰を下ろした。紅茶のカップを手に取ると、受け皿を使わず簡易な持ち方で口に運ぶ。
「仕方ないだろ。愛は最初から特別だ」
「あーはいはい。まったく見てる方が胸やけ起こすくらいラブラブで。なんてまあ喜ばしい」