一億円の契約妻は冷徹御曹司の愛を知る
急激にビジネスモードになったふたりの話を他人事のように聞いていたら、いきなり話を振られてぽかんとしてしまった。
「へ?」
「俺は挙式はふたりでして、披露宴は知人だけを集めて簡単にやりたいんだが、そういうわけにもいかないらしい。おまえにとっては知らない人間ばかりのつまらない宴会になる」
吐き捨てると、雅臣は分厚いパンフレットをばさりとテーブルに置いて面倒そうにソファにもたれる。私はソファの上に正座した状態で、ため息をついている自分の旦那様と微苦笑を浮かべる執事を交互に見た。
「なるほど。二條家の妻として、最初のお仕事ですね」
雅臣が放り出した資料を拾い上げる。百人を超える招待者のリストに会場のレイアウト、引き出物に進行プログラムに当日の料理など、細かい内容がパワーポイントで説明されている。
なんだか学園祭の劇みたいだと思った。