一億円の契約妻は冷徹御曹司の愛を知る

 …

 その夜、十一時。

 ふたり掛けソファの隅で縮こまっていると、部屋のドアが開いて雅臣が入ってきた。髪が乾ききっていないせいで、いつもよりも幼く見える彼は、私を認めて眉根を寄せる。

「……なにをしてる」

 私は羽織ったナイトガウンの裾を慎重におさえながら、ソファに座り直した。

「なにをしてればいいか、わからなくて」

 ただゴロゴロしてました。

 そう言うと、雅臣は呆れた顔で私のとなりに腰を下ろした。

 ふわりと石鹸の香りがして、なんとなく距離を取る。ただでさえ、いきなり寝室を一緒にされてどうやって過ごせばいいのかわからないのに。

 改めて、今夜から雅臣とふたりきりの夜を過ごすのだと考えると、なぜか緊張してしまう。

「おい」

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