ワケあり花屋(店長)とコミュ障女子の恋
「あんたが色目使ったんでしょ!?」
玄関を開けるなり椿の方へ詰め寄る椿の母に海が、椿と椿の母の間に自分の体を入れた。

「なによあんた」
椿の母はぼさぼさの髪を振り乱しながら椿に勢いよく怒鳴る。
「あんたのせいで母さん不幸になったらどうしてくれんのよ」
その言葉に凌駕が突然前へ出てきた。
「あんたねー。椿ちゃんのこの姿を見たら本当なら心配すんのが母親でしょ?謝るのが母親でしょ!?あんたのろくでもないパートナーに椿ちゃんは!」
そこまで言いかけたところで凌駕を海が低い声で制した。
「凌駕。やめろ」
「でも!」
まだ怒りがおさまらない凌駕がふと椿を見ると椿は首を横に振りながら泣いていた。
「ごめんなさい・・・お母さん・・・ごめんなさい・・・」
と謝りながら涙を流す椿の肩を海が抱いていた。


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