ワケあり花屋(店長)とコミュ障女子の恋
凌駕ははじめこそ、椿の接客に対する不安からこの仕事に向いていないと思っていた。
でも、一生けん命自分にできることをしようとする椿の姿勢に、凌駕は自分の考えが間違っていたと気づいた。
接客も、苦手ながらにがんばっていて、ちゃんと客に届き始めている。

器用さや女性らしい細やかな配慮は椿にしかできない。

最近は海は花の仕入れや配達、結婚式会場におろす花の準備、凌駕は店の接客と陳列、配達する花かごづくりに専念できている。椿は自然と店の花のディスプレイと掃除や片付け、包装用のリボンや包装紙の準備などの担当になっていた。
役割分担ができて3人の動きも定まってきている。

椿が入ってから、店の効率もあがり売り上げは確実に伸びていた。


『がらがら!』
「失礼しました」
椿は片目が見えなくてあちこちにぶつかったり、何かを倒してしまう。
「大丈夫かな・・・」
凌駕は心配そうに様子を見ていた。
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