リベンジ学園
「何だ、あいつらは?

あんなに慌ててどこに行く気だ?」



虎治がそう言ったとき、辰雄が三人の行き先に気づいて声を上げた。



「あいつらはきっと西門に行くつもりなんだよ。

この学園から少しでも早く出ていくために」



辰雄はそう言ったあとに、あの三人の行動が正解だと、心の中でジャッジしていた。



千載一遇のチャンスが訪れているのに、それに手を伸ばそうとしないのは暴力バカの虎治くらいだ。



辰雄は本音を虎治に言いたかったが、それをじっと我慢していた。



「なぁ、辰雄。

あいつらバカだぜ」



虎治がポツリとそうつぶやいたとき、辰雄は虎治に目を向けた。



「あの生神亮治が考えたリベンジゲームにそんな簡単なクリアがあるわけねぇよ。

あいつらは死ぬぜ。

番犬ルドルフとかいうバケモノに殺されてよ」



辰雄は虎治のその言葉にハッとした。



確かに考えてみれば、虎治の言う通りだ。



西門から西条学園中学を何事もなく脱出できるなら、ゲームクリアが簡単過ぎる。



生神亮治が望んでいるのは、リベンジゲームで参加者全員が死ぬことのはずなのに……。
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