リベンジ学園
晴江が傲慢な会話を続けていると、教室の中にもう一人の特権階級、原島虎治が入ってきた。



そして大柄な虎治が発する威圧感で、教室の中に不自然な沈黙が流れた。



原島虎治は気に入らないヤツがいると、すぐに暴力で黙らせる。



そんな光景を何度も見てきた3年2組の生徒たちは原島虎治を恐れていた。



(虎治さんが教室に入ってきた。

紗栄子は虎治さんのグループにおもちゃのように扱われていじめられていたって噂がある。

実際はどうだったんだろう?)



智恵はそんなことを思いながら、緊張気味に机をじっと見つめていた。



虎治の席は智恵のとなりなので、当然のように虎治は智恵に近づいてくる。



虎治が近づいてくるで智恵は虎治の脅威を感じ、まるで空気のようにじっと息をひそめていた。



「ねぇ、虎治。

もちろん知っているよね。

あの小原紗栄子が自殺したって。

うちらのクラスだけが集められてるなんて、事情聴取でもあるのかしら?

紗栄子は死ぬ前に遺書を書いたって噂だけど、虎治はその遺書が気になってる?」



椅子に座ったばかりの虎治のところに晴江が近づき、高飛車な態度でそう言った。



原島虎治にこんな態度が取れるのは、このクラスで村上晴江だけだった。



智恵は一触即発の空気に息を詰まらせながら、虎治と晴江の会話に意識を集中させていた。
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