リベンジ学園
「お前がオレの心配してる場合かよ。

お前が紗栄子をいじめてんのは、クラス全員が知ってんだぞ」



虎治がそう言って晴江に目を向けると、晴江は少し笑ってこう言った。



「心配してくれるのね。

狂犬虎治も女には優しいのかしら?

私なら大丈夫よ。

このクラスに私に不利なことを言う人なんて誰もいないから」



「随分な自信だな。

だけど、自信過剰はかわいくないぜ。

女ならちょっと無口に本でも見てろ」



虎治と晴江は互いを意識しながらも、仲良く群れることはない。



3年2組の教室はこの特権階級の二人のせいで、いつもギスギスして居心地の悪い空間だった。



智恵はそんな虎治の隣の席で、自分がトラブルに巻き込まれないようにと願っていた。
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