愛溺〜偽りは闇に堕ちて〜
「じゃあちょうど良い機会だから聞くけど、瀬野はどんな女の子がタイプなの?」
ここに来て沙彩が少し深入りした質問をする。
一瞬瀬野は目を見張ったけれど、すぐに穏やかな笑顔へと変わった。
「タイプなんてないよ。
川上さんが好き、ただそれだけかな」
「…っ」
少しでも瀬野の返答に緊張した私を返して欲しい。
違う意味で今度はドキドキして、顔が熱くなってしまう。
「やだかわいい愛佳が照れてる〜!」
「だ、だって…」
こんな不意打ちで“好き”だなんて。
本当に悪い男。
絶対に確信犯である。
「じゃあ愛佳にどんな服装して欲しいとかある?」
「川上さんが気に入った服装がいいかな。俺が着るわけじゃないから、そこは川上さんの意思を尊重したいね」
「本当に言うことまでイケメンだね瀬野って。
理想の彼氏の模範じゃない?」
絶対に違う、瀬野だけはやめとけと思う。
こんなやつを彼氏にしたところでロクなことはない。