愛溺〜偽りは闇に堕ちて〜



「これは想像以上だ、良くやった。
瀬野をここに連れてこい」


けれど剛毅さんはすぐに嬉しそうな表情へと変わり、瀬野をここへ呼ぶ。

瀬野のグループにいた仁蘭のメンバーは全滅との知らせが続いて届く。


さらには煌凰に作戦内容が伝わっていたのだ、無謀な作戦へと化してしまったようで。


「……っ、涼介!?」

莉乃ちゃんが叫ぶように瀬野の名前を呼んだところでハッとした。

捕らえられた瀬野が連れてこられたのだ。
恐る恐る顔を上げると───


「…っ!?」

体の所々に血が滲み、怪我を負った瀬野が手首を後ろで縛られた状態だった。

本当に捕らえられたようで。
信じられなかった。


瀬野の強さはこの目で何度も確認した。
けれど、やっぱり人数には敵わないのだ。

瀬野の後に続いて、仁蘭のメンバーが連れてこられていく。


「どうして…!?話が違うじゃない!
涼介には手を出さないって…」

「相手が抵抗したら力で押し付けるしかないだろ?」


初めて顔色を変えた莉乃ちゃんに、剛毅さんは笑みを浮かべながら話す。

その様子から、恐らく剛毅さんは初めから危害を加えるつもりだったのだ。


莉乃ちゃんは良いように利用されただけ。
乱れる彼女に瀬野は視線を向ける。

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