忍君のセカンドラブ~歳の差30歳以上~
その夜。
夏樹は家に帰って空に、忍が赤ちゃんを引き取る話をした。
現在、宗田家から離れたマンションに住んでいる夏樹。
空と息子の幸喜6歳と一緒に住んでいる。
息子の幸喜は母の空とそっくりな顔をしているが、目元は夏樹に似ているが、忍にも似ている。
現在小学校1年生で、ちょっと変わった男の子である。
時々、幸喜は見えないものを見るようで変な事を言い出す。
今回の赤ちゃんの話をすると、幸喜は
「その赤ちゃんって、妖精さんの子供だよ」
と言った。
夏樹も空も、何を言っているのか分からず、キョンとしていた。
「お爺ちゃんは、妖精さんと恋をしたんだ。でもその妖精さん、住む世界が違うからお爺ちゃんとお別れしたんだよ」
と続けて言った。
その話しを聞いた夏樹は、ふと、兄の一樹の事を思いだした。
一樹の結婚相手は天使だと話してくれた事があった。
普段は人間と変わらないけど。
瞳の色が紫で、病気を治してくれる力を持っていると。
それで救われたこともあると。
もしかしたら幸喜が言っている事は、本当にあり得るのかもしれないと夏樹は思った。
「別に私は構わないけど。幸喜だって、嫌だとは言わないと思うわ」
「うん。でもまずは、僕だけ一緒に住んでみるようと思うんだ」
「え? 男だけで? だって、赤ちゃんがいるのに男だけじゃダメでしょう? 」
「そうかもしれないけど、幸喜は学校もあるし」
「それなら別に問題はないわ。あの家から、学校はそんな遠くはないし。幸喜なら、赤ちゃんとだって仲良くなれそうだわ」