お嬢様と呼ばないで


「ええと。自分は酒星疾風です。得意なのは武道。趣味は音楽を聴く事。部活はまだ決めてないです」


そしてささやかな挨拶をしている中。
美友の番になった。


「みなさん、はじめまして。私、桜田美友|《みゆ》と申します。趣味は『小さい物づくり』です。何も知らない不束者|《ふつつかもの》ですが、どうか仲良くお願いいたします……」




緊張しながら深々と丁寧にお辞儀する美友にクラスメイトも思わず頭を下げていた。ここで日永が話を入れた。


「実はね。桜田さんは事情があってこういう学校は初めてなんだ。だからわからない事もわからないと思うのでみんなで支えてあげて欲しいんだ」

「先生。ありがとう存じます……」


ここでチャイムが鳴ったので休み時間になった。



「はあ、もうダメ」

「ウフフ。疾風君はスタミナがないわね?」

「ああ……おかげさまで言い返す気力もないよ」
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