お嬢様と呼ばないで
「登山ですか?色々と用意があるものね……ふくよか先輩、私になんで聞いてください」
「いいの?」
この時二人の間に海棠がサッと入った。
「おっと?美友ちゃんには俺を通してくれないと」
「なんでだよ?」
「いいから!じゃあ、またね〜」
そんな海棠は巨体の福岡を誰もいない渡り廊下で壁ドンした。
「うわ?」
「……あの子は特別なんだ。悪いやつに狙われているんだよ」
「本当に?」
海棠の父が警察関係だと知っていた福岡は、この話を信じ、協力すると話した。
この時、校内放送が流れた。
『……お知らせします。第3化学室の鍵を持っている人は至急返してください。繰り返します』
「あれ。おかしくないか?第3化学室ってあったっけ」