お嬢様と呼ばないで
そこには北山大学附属病院の院内学校で過ごしている生徒達の登山の付き添いボランティア募集の知らせだった。
「足の不自由な人を交代で背負って登るそうだ。これは途中に階段や、酸素ボンベの運搬がある。とあるな」
「自分に行かせてください……」
「行くの?」
てっきり断ると思っていた山下は自分をじっと見つめる福岡にびっくりした。
「お願いします!こんな俺でもできる事を見つけたいんです。俺だって何か人の役に立てるなら」
「バカやろう……」
この話だけで泣けてくる山下はやはり肋骨にヒビが入っていたので、泣くと震えて痛かった。
「わかった。推薦しておく」
「お願いします!それまで体を絞って用意します!」
「ああ。お前は我が校の代表だ、しっかりやれ!さ、行け!」
この後、美友は廊下でばったり福岡と海棠に会った。
彼はボランティアをすることを彼女に話した。