……秘密があります
 羽未はなにも言わずに黙り込む。

 みんなも息を呑んで、羽未を見つめた。

 なにか今までと違う気配がしたからだろう。

 羽未は過去の自分の姿を思い返しているようだった。

「私が……指紋を消しています」

 みんながどよめく。

「それから、鈍器を探しました」

「何故、鈍器」
と士郎が言った。

「ちょうどいい大きさの白い花瓶がありました」

 殺人の告白か?
とみんなが息を呑む。
< 107 / 256 >

この作品をシェア

pagetop