……秘密があります
「悲しんでるわりには、細工をする余裕はあったのか」

 いやいや、それはあれですよ。
 悲しみのあまりですよ、と思いながら、ビールの缶に口をつけたが、帯刀が横からその缶を取る。

「もう呑みたくないんだろ、貸せ」
と言って呑みかけたがやめたようだった。

「なんだ、お前、羽未の呑みかけは呑めないっていうのか。
 俺が呑む、貸せ」
と横から士郎が取ろうとする。

 いやいや、貴方が呑んだら飲酒運転ですよ……と思う羽未の側で、帯刀が言った。

「俺も会社の駐車場まで車で来たんだったと思い出しただけだ。

 それと……

 羽未の呑みかけとか、よく考えたら、恥ずかしいだろうが」

「いやいや、二度も羽未を手篭(てご)めにした奴がなにが恥ずかしい?」
と士郎はもっともなことを言っていたが。

「酔ってるか、正気かの違いですかね……?」
と羽未は呟いていた。





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