……秘密があります
無理やり帯刀と二人きりにしようとする母の奸計にはまり、羽未は密室に閉じ込められていた。
いや、部屋に鍵などないのだが、そういう心境だった。
二人で向かい合って、何故か正座する。
「……俺も呑んでなかったんだ」
と黙っていた帯刀が言い出した。
「何故ですか?」
と問うてみたが、答えはない。
そのまま二人とも沈黙していた。
酒が欲しいな、と羽未は思ってしまう。
帯刀と向かい合って座っているとなにを話していいのかわからなくなる。
……逆行している、と羽未は思っていた。
どんどん課長が遠くなっていっている気がする。
緊張のあまりっ!