……秘密があります
「だから、基本、身近な人間には手を出さない、声をかけないが僕の信条なんだけどね」

 いやいや、別れるの前提、おかしいです、と羽未は思っていた。

「だって、どうせ飽きてくるし。
 嫌いになりたくないから嫌いになる前にとか、付き合ってることがめんどくさくなる前に別れようって、いつも思うんだよね」

 男の人ってそんなこと思うんだ?
と羽未が見つめていると、芳賀はそれに気づいて笑い、

「大丈夫だよ。
 帯刀はしつこいから」
と言ってきた。

 そして、店の入り口を見て笑う。

「あ、帯刀。
 遅かったじゃないか。

 さあ、お前の壁ドンについて、羽未ちゃんに感想を聞きながら語ろう」

 いやいや、だから、この反省会おかしくないですか?
と思いながら、羽未は、ぐびりとモヒートを呑んだ。




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