……秘密があります
「そこは逃げるもんでしょうがっ! 羽未っ」
と阿佐子が主張し、
好きでもないのに何故っ!?
と思っていると、和花がそれに気づいたように、
「盛り上がらないからよっ!」
と主張してくる。
最前列に座っていた姑、さちこが溜息をつきながら呟いていた。
「うちとしては、逃げてもらっては困るんだけど。
見てる分には逃げた方が盛り上がるわね」
……さちこさん。
幼き頃から士郎を知る羽未の両親もまるでドラマでも見ているかのように、手に汗握って見つめていた。
唯一、青くなっているのは、士郎の家族だけだ。
息子が遅刻してきたと思ったら、いきなり花嫁をさらおうとしているのだ、そりゃそうだろうな、と思う。
そして、冷静にそれらを眺める余裕があるのは、小さいときからずっと一緒に居たシロさんにプロポーズされても、自分の気持ちがまったく揺らいでいないからだな、と気がついた。
と阿佐子が主張し、
好きでもないのに何故っ!?
と思っていると、和花がそれに気づいたように、
「盛り上がらないからよっ!」
と主張してくる。
最前列に座っていた姑、さちこが溜息をつきながら呟いていた。
「うちとしては、逃げてもらっては困るんだけど。
見てる分には逃げた方が盛り上がるわね」
……さちこさん。
幼き頃から士郎を知る羽未の両親もまるでドラマでも見ているかのように、手に汗握って見つめていた。
唯一、青くなっているのは、士郎の家族だけだ。
息子が遅刻してきたと思ったら、いきなり花嫁をさらおうとしているのだ、そりゃそうだろうな、と思う。
そして、冷静にそれらを眺める余裕があるのは、小さいときからずっと一緒に居たシロさんにプロポーズされても、自分の気持ちがまったく揺らいでいないからだな、と気がついた。