……秘密があります
「じゃあ、上杉課長。
 おしるこが飲みたいんですか」

「飲みたいわけないだろうが、クソ暑いのに」
と顔を近づけ、士郎は言ってくる。

「お前への嫌がらせだ、羽未」

「何故ですか」
と言いながら、羽未は責任を取らせるために、士郎の手におしるこを二本押し付けた。

「あちっ。
 誰だ、こんな熱いもの買ったのはっ」
と缶の熱さに士郎が叫ぶ。

 いや、それは私のセリフですよ……。

 相変わらず、訳のわからない人だ、と思いながら、羽未は士郎を眺めていた。
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