私立秀麗華美学園
笠井はその後病院へ運ばれた。
手術とまではいかず傷口を消毒して塞ぐにとどまったと聞いたのだが、笠井の所属するバスケ部の新人戦が、この日の3日後だった。
1年の中では抜きん出ていた笠井の欠場に、学園のバスケ部は大敗を喫したそうだ。
矢はやはり弓道部のもので、取り囲んだ網に開いたわずかな隙間へ、不運にも命中してしまったとのこと。
学園の広報でも大きく取り上げられ、話し合いが何度も持たれた。
それは弓道部の死活問題ともなり、部は一時廃部にまで持っていかれたそうだ。
が、熱心なキャプテンの説得と親の後ろ盾によりなんとか持ちこたえたらしい。
ゆうかや俺はというとそれどころではなかった。
親同士は何度も話し合っていた。花嶺家と笠井家がもちろん中心ではあったが、月城家も参加はしていた。
ゆうかは、笠井の病院に2日に1度は見舞いに行っていた。
3ヶ月経って怪我が完全に回復してからも、一時的にということでバスケ部のマネージャーになった。
まあ、バスケ部の、というか、笠井の専属、というか。
そしてその間に、ゆうかは笠井を好きになってしまったのだ。
命の恩人だと、言えなくもない。
それに笠井はあの事件の間、それこそ完璧に紳士的な振る舞いをしていた。
うまく避けられなかった自分が悪いのだ、と。
俺から見ても、あれは本心からの言葉だったのだと思う。
そんな笠井を
好きになるな
なんて言えるはずもなく。
騎士は本当にただの騎士になってしまった。
それどころか、あの日騎士は大切な姫を守ることすらできなかったんだ。
手術とまではいかず傷口を消毒して塞ぐにとどまったと聞いたのだが、笠井の所属するバスケ部の新人戦が、この日の3日後だった。
1年の中では抜きん出ていた笠井の欠場に、学園のバスケ部は大敗を喫したそうだ。
矢はやはり弓道部のもので、取り囲んだ網に開いたわずかな隙間へ、不運にも命中してしまったとのこと。
学園の広報でも大きく取り上げられ、話し合いが何度も持たれた。
それは弓道部の死活問題ともなり、部は一時廃部にまで持っていかれたそうだ。
が、熱心なキャプテンの説得と親の後ろ盾によりなんとか持ちこたえたらしい。
ゆうかや俺はというとそれどころではなかった。
親同士は何度も話し合っていた。花嶺家と笠井家がもちろん中心ではあったが、月城家も参加はしていた。
ゆうかは、笠井の病院に2日に1度は見舞いに行っていた。
3ヶ月経って怪我が完全に回復してからも、一時的にということでバスケ部のマネージャーになった。
まあ、バスケ部の、というか、笠井の専属、というか。
そしてその間に、ゆうかは笠井を好きになってしまったのだ。
命の恩人だと、言えなくもない。
それに笠井はあの事件の間、それこそ完璧に紳士的な振る舞いをしていた。
うまく避けられなかった自分が悪いのだ、と。
俺から見ても、あれは本心からの言葉だったのだと思う。
そんな笠井を
好きになるな
なんて言えるはずもなく。
騎士は本当にただの騎士になってしまった。
それどころか、あの日騎士は大切な姫を守ることすらできなかったんだ。