私立秀麗華美学園
やがて三松も空気に馴染み、C組のテーブルへ歩いていった。それにしても、派手な色ではないながら豪華な衣装だ。
「堂本とは、今日は喋れないだろうね」
「ああ」
「この大騒ぎ、フリーにとっては見合いパーティーを兼ねてる部分もあるらしいし」
「そうなんだ。まあ、自然とそうなるよな」
「百合子さんが言ってた」と小さく呟いてゆうかは口を閉じる。
至近距離で見ると、顔の雰囲気もいつもとは少し違っていた。まつげが多い。唇の色が明るい。化粧なんてする必要はないと思うけど、雰囲気は変わるもんだなと思った。
「……さっきから」
「え?」
「見・す・ぎ。気付いてないとでも思ってる?」
「あ、ごめん、なさい…………だってかわいいから」
「ーーっ……! もう、またにやにやしてるし。恥ずかしいからっ」
顔を背けて言って、ゆうかはずんずんと離れていってしまった。
うーん、にやにやか。恥ずかしいなら、それはちょっと、反省しなければいけないかもしれない、と思いながら自分の頬を引っ張ったりしていると、槙野さんが近づいて来た。
目元と口元がちょこっとゆうかに似た、彼女だ。
「ふふ。花嶺さん、相変わらずね」
「にやにやするなって怒られた。いつものことだけど」
「にやにや、ね」
離れたところでクラスメイトと喋るゆうかを見て、槙野さんはおもしろそうに笑った。ドレスに合わせたラベンダー色の石がついたイヤリングが揺れる。
「わたしには、花嶺さんを見る月城くんの表情は、にやにやって言うよりにこにこに見えるよ」
「にこにこ? 自分ではわかんねーなー」
「たぶん、花嶺さんにだってそう見えてると思うけど」
槙野さんが声をひそめる仕草をしたので、膝をちょっと折って耳を近づける。
「照れてるだけだと、思うよ」
言って、槙野さんは声をひそめて笑った。
照れ隠し、で、にやにやするなと、言っていたのだとしたら。
「ほらね、にこにこ」
にやにやだかにこにこだかはわからないが、とにかく最近、俺の口元は緩んでばっかりだ。
いくら引き締めようとしてもゆうかのかわいさには抗えない。
「堂本とは、今日は喋れないだろうね」
「ああ」
「この大騒ぎ、フリーにとっては見合いパーティーを兼ねてる部分もあるらしいし」
「そうなんだ。まあ、自然とそうなるよな」
「百合子さんが言ってた」と小さく呟いてゆうかは口を閉じる。
至近距離で見ると、顔の雰囲気もいつもとは少し違っていた。まつげが多い。唇の色が明るい。化粧なんてする必要はないと思うけど、雰囲気は変わるもんだなと思った。
「……さっきから」
「え?」
「見・す・ぎ。気付いてないとでも思ってる?」
「あ、ごめん、なさい…………だってかわいいから」
「ーーっ……! もう、またにやにやしてるし。恥ずかしいからっ」
顔を背けて言って、ゆうかはずんずんと離れていってしまった。
うーん、にやにやか。恥ずかしいなら、それはちょっと、反省しなければいけないかもしれない、と思いながら自分の頬を引っ張ったりしていると、槙野さんが近づいて来た。
目元と口元がちょこっとゆうかに似た、彼女だ。
「ふふ。花嶺さん、相変わらずね」
「にやにやするなって怒られた。いつものことだけど」
「にやにや、ね」
離れたところでクラスメイトと喋るゆうかを見て、槙野さんはおもしろそうに笑った。ドレスに合わせたラベンダー色の石がついたイヤリングが揺れる。
「わたしには、花嶺さんを見る月城くんの表情は、にやにやって言うよりにこにこに見えるよ」
「にこにこ? 自分ではわかんねーなー」
「たぶん、花嶺さんにだってそう見えてると思うけど」
槙野さんが声をひそめる仕草をしたので、膝をちょっと折って耳を近づける。
「照れてるだけだと、思うよ」
言って、槙野さんは声をひそめて笑った。
照れ隠し、で、にやにやするなと、言っていたのだとしたら。
「ほらね、にこにこ」
にやにやだかにこにこだかはわからないが、とにかく最近、俺の口元は緩んでばっかりだ。
いくら引き締めようとしてもゆうかのかわいさには抗えない。