俺のボディガードは陰陽師。

「おまえが伶士に手を出すっていうなら、私にも考えがあるよ!」



グッと顔を突き付けて、睨み付けちゃってる。

まるでヤンキーのように。

そんな鈴代なずなに、ゴリラ先輩は少しばかりかたじろんでいた。



「は?な、何だよ!…お、俺は橘に『今後莉緒には手を出すな!』って一言忠告しようと思っただけなんだよ!なのに、本気で来るな!」



そうだったのですか…。

二度と手は出しません。


と、言いたいところだが、目の前にいる鈴代なずなは「…あぁ?!」と、話を聞く様子もない。

相当ご立腹のようだ。

顔がピキピキとひきつっている。




「私は!いつのどんな時も本気だ!」

「な、なずな、やめろ!それはやめろ!」



もう一歩、前に踏み込んだところで椎名先輩が二人の間にあわくって入る。

しかし「台湾ナマズは黙ってろ!」と、片手で突き飛ばされていた。

…え?!片手?!



「…死ねやぁ!ゴリラあぁーっ!」



そう叫ぶと、もう一歩足を踏み込んで、右足を振り上げた。

鈴代なずなの膝蹴りが、ゴリラ先輩の腹ど真ん中に命中!

ドゴッ…と、鈍い音がした。



「うぅっ!」



膝蹴り…キレイに腹に入った!


< 184 / 504 >

この作品をシェア

pagetop