俺のボディガードは陰陽師。

油断していたところに

★★★








…あれから、何日夜が明けたか。

バケモノの出現も音沙汰なく。



そして、今宵も。




「…で、何でギャルやってんの?」




俺の部屋で。

俺は自分のベッドで、なずなは床でミノムシ寝袋で。




「それは愚問だろ。『ねえ、なずな?何であなたはなずななの?』って聞いてるのと同じ」

「ロミジュリか」




お泊まり会トークが繰り広げられる。




「まさか。生まれた時からその顔じゃねえだろ」

「生まれた時からこの顔ですぅー」

「おいおい…」



この質問、一昨日もした。

同じような返答が返ってきて、最後に『バカにするな!』と怒られたけど。



俺的には納得がいかない。



だって…ギャルメイクより。

今のこの顔、すっぴんの方が断然良い。

というか、好み。可愛い。

このハーフモデルばりの目の大きさ、鼻の高さ、ふっくらとした唇、顔立ちのバランス。

絶対、良いと思う。



母さんだって『なずなさん、絶対ナチュラルメイク似合うわよ!』と、なずなのメイクを手解きしたがっていた。

やっぱり。やっぱりな。



なのに、何故あえてクレヨンで塗りつぶしたような化粧をしてるのか。

わからない。



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