俺のボディガードは陰陽師。
…大切な人だからこそ、巻き込むワケにはいかない。
一刻も早くという逸る気持ちで、グラウンドを足早に後にする。
少しでも遠くへ離れないと…!
走っているワケではないのに、痛いぐらい心臓の鼓動が早くなっていった。
すでに手にしていたカバンの中からスマホを取り出す。
画面をタッチして検索し、電話をかけた。
…今ここで、連絡を取るべき相手に。
(なずな…!)
『…伶士か?』
コール間もなく応答したその声に、少しばかりホッとさせられる。
「なずなっ…また、まただ!声がっ!」
『…女の声か?』
電話の奥で、物音が聞こえる。
鈴の音と、ガチャッとドアノブを開ける音。
『なず?どうしたんだい?』と、女性の声もした。
『…バケモノの姿はまだないな?…伶士、すぐに学校離れられるか?』
「あ、あぁ!」
『なら、西出口から出てすぐのところにあるパンダフルというパン屋に来い。私はそこにいる。忠晴さんも一緒だから』
「わ、わかった!」
パンダフル?学校の裏にある商店街のパン屋?
いつも、忠晴に車を停めてもらう場所の傍だ。
偶然にも、近くにいたのか。