戦国に散った華
「やっぱり私の兄上は本当にお優しい、どこまでもかっこいい兄上ですね。
私、兄上のお嫁さんになりたいぐらい」
私がそう冗談を言うと、兄は顔をほんのり赤くさせて照れていた。
浅井万福丸。
私の五つ上の浅井家の嫡男で、母に似て容姿端麗で、父に似てとても強くて優しかった。
兄はずっと私のそばにいてくれた。
つまらない話でも、話し終わるまでずっと笑って聞いてくれていた。
よくおねだりをしては快く聞き入れてくれて、時には私をおぶって城中を散歩してくれたりもした。
母や乳母に怒られても兄だけはいつも私に優しくしてくれた。
いつもいつも、その優しさに甘えていた。
その優しさは永遠に続くものと思っていた。