戦国に散った華
「泣くな茶々。

私は自分がこの若さで死ぬことを、少しも悔いてはいないぞ」




「え...?」





「そりゃ、大好きなお前達のそばにいていつかのように一緒に遊ぶことも出来ないのも、お前達が育っていく姿を見届けることも、もう何もできなくなってしまうのは残念ではある...。



でも、

私のこの命で、母上とお前達を救うことができたるなら、私は今まで生きてきた甲斐がある」






「兄上....」





「兄は、浅井家の嫡男としての使命を全うできることを、誇りに思っている。







だから、心配するな」



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