国中総てに虐げられてた私は未来の皇后?

どうしてこんな事に(レイファ)

「レイファちゃん大丈夫?」

「ラティラさん……何だか……色々……動けませんでした」


ラティラさんが、私の肩を優しく気遣う様に手をかけ、話しかけてくれた。その時、自分が何をするでも無くただ呆然と会場内を眺めていたのだと気付いた。父親らしい事は何一つしてくれなくても、気持ちの何処かで想う心が残っていたのだろうか?騎士達に連れて行かれている父親や義母や妹達を遠目で見ていたら、頭の中が真っ白になったの。


「大丈夫なら良かった。レイファちゃんが教えてくれたから私達は動けたんだから、お手柄よ」

(ルラックもがんばったから!ほめてほめて!ほめられるのだいすきルラック)

「そうねールラックが顔面に張り付いてくれなかったら少し面倒だったかもしれないわね。偉いわルラック。後で美味しいものあげるわね」

(えーたべものばかりいやだなぁー)

「文句言わないのよ」


お二人の会話は私の心を軽くしてくれる。会場内も窓が開けられたからか先程迄の立ち込める様な血の匂いが無くなり、騎士の方達が一人一人に話を聞き無関係な人達を解放していっているから、人口密度も広くなって気分的にも伸び伸びした雰囲気になっている。

 病人達も徐々に快方に向かっているので、一人一人の気持ちも解れてきているのが私には感じ取れた。

 今頃あの人達はどうなってるのだろう……



「レイファ、デイビーズ夫人少しいいですか?レオンからあちらの部屋へ移動して欲しいと言われたんですが、お二人共大丈夫ですか」


エドウィンさんが何やら迎えに来てくれたようだけど、なんだろう?レオン様は忙しそうだから、落ち着いたら先程の部屋に帰ってようかなって思ってたんだけど……ラティラさんに視線を向けるとチラリとソフィア嬢とミシェル様が仲良くお互いを気遣っている所を確認した後。


「私は大丈夫よ。レイファちゃんも一緒に行きましょう。何があっても私がそばに居るから安心して」


私は大きく頷いてエドウィンさんに着いて行きました。


「レイファ顔色悪いけど大丈夫か」

「大丈夫です」


人々の気持ちが押し寄せるように来たから、疲れたなんて言えない。


「レイファ教えておこう。これからいく部屋にはマーテェフェル国の第一王子アンソニー殿とサーフウィカ国の王族、貴族が居る。後は先程捕まった者達と疑惑のある者達だな。これから何が起こるのか判らない。断罪だけで終われば良いのだが、国同士の事になると個々の問題では治らなくなるからなスムーズに解決してくれると良いのだがな」




お父様……義母様……シルフィ……ミルフィ……あなた達はどうしてこんなことをしたの……
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