。・*・。。*・Cherry Blossom Ⅵ《シリーズ最新巻♪》・*・。。*・。
「はよ、あの女狐は?」と戒がまた大きな欠伸をしながらキョウスケに聞いていて
「もう降りてきますよ。あ、朝食でしたよね。俺は…」とあたしを見てくるキョウスケ。
「…トーストにしてくれ、食パンが余ってんだ、イチ……さんは?」とぶっきらぼうに言って腕を組むと
「…ヨーグルトだけでいいそうです」とキョウスケが申し訳なさそうに眉を下げる。
いや、謝ることじゃねぇし。
二人は付き合ってんだし、別に…普通だろ……
さっきの二人の寝顔を想像すると
ブーーーー!
また鼻血を吹き出しそうだ。
でも、妖しいAVっぽくなくて…て言うか(AV)見たことないから分かんないけど、やっぱり外国映画のワンシーンのように思えるのはイチが女優だからか?美男美女のそういうシーンだからか?何か美しいって言うか…ね。
ほとんど食事が出来上がって料理がテーブルに並んだ頃、イチが…こちらも欠伸を手で押さえながら優雅に降りてくる。
ロング丈のワンピースは白いノースリーブで体のラインにぴったりフィットしたもので膝から裾に掛けてふわりと広がっていて、見ようによっちゃマーメイドドレスのようにも見える。
腕の袖ぐりから透け感のあるシフォン生地がまるでマントのように背中へ流れるように垂れている、変わったデザインのワンピースだったが
イチが動く度、そのシフォン生地と、髪の先までもまるで計算された美しさのように優雅に舞う。まるでスローモーションで流した映像のように、その動きから目を離せない。
いや、見る者を惹きつけてやまない。
現に男陣の視線が(戒を除いて、こいつ半分寝てるし)イチに集中し、リコも目をまばたいている。
「わぁ…お姫様みたいだね…」
エリナがこそっと聞いてきてあたしはぎこちなく頷いた。