。・*・。。*・Cherry Blossom Ⅵ《シリーズ最新巻♪》・*・。。*・。


「俺たちを挑発したんですよ。それ以外何があるって言うんですか」響輔が目を細める。見ようによっちゃ睨まれてる気がする程鋭い視線だ。その視線の意味をスルーして


「まぁ確かに挑発された感はあるよな。でも、わざと怒らせてこっちが握ってる情報を迂闊にあいつに与えちまった気がする。キレるのは俺でもお前でもどっちでも良かったんだよ」


まぁお前の方が早くキレたけどな。


と言う言葉は仕舞いこんだ。


「戒さん、忘れたんですか?タイガさんは解毒剤を持って“取引”を持ちかけてきた。


今の所、お嬢に症状は現れていません。と言うことはホンモノだったと言うことです。


あの解毒剤は毒そのものを作った本人しか作れませんよ」


「まぁ確かに。お前の言うことはもっともだ。


でもさー、タイガの野郎カズノリの存在をちらつかせたら目の色変えやがった。本性を現しやがった。息子のことがそんなに大切なら、イチのことも同じぐらい愛してるってこと?」


あいつを一瞬でも怯ませることができる『カズノリ』の存在。


俺は最強の武器を手に入れた気がしたが、イチが果たしてその『最強の武器』になるのだろうか。


そもそも人間て家族以外二人も『愛する』ことができるのだろうか。まぁ出来るから“不倫”と言う言葉が横行しているのだろうが。でも“不倫”の関係ならパートナーのことを好きじゃなくなったから他に目を向けるってことだよな。


つまりタイガにとって椿紀はその『愛情』の対象から外れたのだろうか。


分かんねぇ。


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