。・*・。。*・Cherry Blossom Ⅵ《シリーズ最新巻♪》・*・。。*・。
「そろそろ帰るか…ちょっと冷えてきたし」と戒が切り出し、夕日に背を向けようとしたときだった。
ザザッ!
突如突風が吹いた。
あたしの髪の先が揺れる…と言う勢いではない、一気に持ち上がり顔を覆い、視界が一瞬暗くなった。
「わっ!」と声をあげると同時、強烈とも言える風と波の音が同時にやってきて、
「朔羅っ!」戒の叫び声を聞いた気がしたが、そのときはもうすでにあたしの体は引っ張られるように水底へと沈んだ。
泳ぎは苦手だけど全くのカナヅチてわけじゃない。何とか目を開け、淀んだ水中の中あたしは手をかき分けた。両手を動かせると言う状況だから、戒と離れちゃったに違いない。
急なことだったからろくに息を吸わなかった。鼻から酸素が抜けていって、小さな気泡をつくり上へ昇っていく。
薄暗い視界の中、きょろきょろと視線を巡らせたが戒の姿が見えない。
戒―――……
とりあえず、水面に行こう。腕をかき水をかきわけるつもりが、水圧って想像以上なんだな。思うように動かない。
ヤバい……!息が……
小さな泡の玉が連なって上へ昇っていくのを目を開いて見送ることしかできず、あたしは思わず口を覆った。
もう……ダメかも……
戒、ごめん。さっき一緒に死のうって言ったのに―――
そんなことを考えていると
朔羅――――!
戒の声が聞こえた気がした。