終わったはずの恋だった。
満生は買い置きしていた菓子パンを夕飯代わりに口に入れた。秋は置いていたインスタントラーメンにポットの残り湯を注いで、麺が柔らかくなるのを待っている。
隣同士に座った二人。
暗闇の中、秋がポツリと呟く。
「みっきさ。さっき、停電になる直前に、何を言いかけた?」
あのときは咄嗟に秋を呼んだ満生だったが、改めて尋ねられると口を開いていいものか躊躇った。
だって、満生がさっき聞こうとしていたことは、満生の恋に対する秋の返事を聞くようなものだ。
「……なんでもないよ」
「なんでもないって話し方じゃなかったよな」
暗闇に少し目が慣れてきた満生は秋がジッとこっちを見ていることに気づく。
(……聞いたら教えてくれるのかな)
意を決して、満生は口を開いた。
「……秋くんはどうしてあのとき、夜景を見に行こうって誘ったの?」