お見合い夫婦の結婚事情~カタブツ副社長に独占欲全開で所望されています~
「真帆は、弁護士先生のところで秘書みたいな仕事をしておると小夜子から聞いていたからな。適任なんじゃないかと思って」

「はい。先生のスケジュール管理から裁判資料の作成までなんでもやりました。もちろんお茶汲みも。一般の企業の秘書の方とは違うこともあるとは思いますが」

 学歴に制限がないのと聞いて少し気が楽になり、真帆は思わず前の前のめりになって言う。小鳥遊グループでない会社であれば会長である義雄の親族であるということで周りに気を遣われることもないだろう。むくむくと真帆の中にやる気が湧いてきた。

「よしよし。じゃあ早速先方に伝えておこう」

 義雄が口髭を揺らして微笑んだ。

「ありがとうございます」

 真帆は胸を撫で下ろす。
 大学中退という真帆にとって人生の危機を茂木に助けてもらってずっといい環境で働かせてもらった。そこからまた世間に放りだされて自分の力でやっていくということに、真帆は自分で思っていたよりも心細さを感じていたようだ。
 いく先が決まりそうであることに思いの外、安堵している自分がいた。
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