お見合い夫婦の結婚事情~カタブツ副社長に独占欲全開で所望されています~
「ふふふ、その様子だと、うまくいったみたいね」

 美咲は声をたてて邪気なく笑う。

「真っ赤になっちゃって…。藤堂さんに言わなくちゃいけないかしら。真帆は今どきでは珍しいくらい経験がない子なんだから、お手柔らかにって」

 真帆はますます頬を膨らませた。けれど本当のところ自分と蓮の関係が何なのか、説明できる自信はなかった。 
 真帆が知っている恋人同士は、"お付き合いしましょう"と言って始まるものだけれど蓮はそんなふうには言わなかった。
 真帆は彼の"側にいてくれ"という言葉に頷いたのだ。それは秘書を続けてくれという意味にもとれるだろうから、だとしたら恋人になったとは言えないだろう。
 でもその後キスを交わしたし…。
 そんなことをもやもやと考えていたら頭がショートしそうになって、真帆はぶんぶんと首を振った。
 美咲がもう一度、ふふふと笑った。
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