お見合い夫婦の結婚事情~カタブツ副社長に独占欲全開で所望されています~
マンションの一夜
「大丈夫か?」

眼前に広がる都心の夜景を楽しむこともできず、ソファに座りうつむく真帆に、蓮が静かに尋ねた。
 クラゲの水槽の前でお互いの気持ちを確かめ合ってから、二人は蓮の馴染みの寿司屋で食事を取った。それから再び車を走らせて、今は蓮のマンションである。
 日曜日である翌日も、珍しく休みが取れているという蓮は、君が嫌でなければこのまま自分のマンションに連れて帰りたいと言った。だがもちろん無理強いはしないとも。
 もうずいぶん前に真帆の携帯には小夜子からの"泊まってよし"メールがきていた。
 初めてのデートで泊まるだなんて真帆の想像の範疇を超えている。それにそれを親が勧めるなんてどうかしていると思ったが、父と母の情熱的な恋はどちらかといえば母が積極的だったという話だから、そんな母からしたら普通のことなのかもしれない。
 泊まる準備をしてこなかった真帆のために、蓮は大抵のものは揃うという品揃えのよい近くのコンビニに寄った。そのさりげない気配りに、経験値の違いを思い知らされて真帆は少しだけ複雑な気持ちになった。
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